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恋の恨みは現代でも変わらないようで、八上比売(やがみひめ)から結婚を拒否された八十神(やそがみ)は、怒り狂って、大穴牟遅神(おおなむじのかみ)の殺害を企むのでした。
【出雲民話#001】因幡の素兎(いなばのしろうさぎ)2
「死と再生の受難 赤い猪と母神の愛情」
八上比売(やがみひめ)から、結婚を断られ大穴牟遅神(おおなむじのかみ)が良いと言われた八十神は、大穴牟遅神(おおなむじのかみ)を殺そうと企み、まずは大穴牟遅神を伯岐の国の手間山に誘い出し、「山の上から、赤い猪を追い出すので、下にいて捕まえるように。」と命じたのでした。
八十神は、「それ、赤い猪がそっちへ行くぞ。必ず捕まえろ。」と大声で叫び、真っ赤に焼いた巨岩を、山の上から大穴牟遅神目がけて転がし落としました。兄神達から言われていた大穴牟遅神は、ドドドッ、ゴロゴロと転げ下るその焼けた巨岩を赤い猪と思い、ガシッと体で受け止めたため焼け死んでしまいました。
それを、とても悲しんだ大穴牟遅神の母神刺国若比売(さしくにかわひめ)は、高天原の神産巣日神(かむむすひのかみ)に「大穴牟遅神が、焼け死んでしまったので助けて下さい。」と必死にお願いをしました。その願いが通じ、「それは可哀そうだ。では、赤貝の精 貝比売(きさがひひめ)と、蛤の精蛤貝比売(うむぎひめ)を遣わそう。」と答えられました。
そして、その二人の比売の手厚い介護手当と強い母神の愛情のおかげで、無事に大穴牟遅神は生き返ることが出来たのです。