おむすびころりん 2

5月に入りましたね。
GW真っ只中ですが、皆さんはどこかお出かけされてるのでしょうか?
では、前回のお話の続きから始まります。
そんなある日、隣に意地悪でひねくれ者のおばあさんが訪ねてきました。
「もし、火種を貸してほしんじゃがの。
貧乏人同士、助け合わないといけませんがな。
困った時はお互いさまと、言いますからな」
「はいはい、何ですか」
からら。
「ほへっ!!」
意地悪でひねくれ者のおばあさんは、びっくりします。
ばあさんもじいさんも、高そうな着物を着て、肌もツヤツヤ
しているのです。自分たちと同じ貧乏暮らしだったのに!
ひょいと肩越しに家の中をのぞくと、
おいしそうな御馳走が並んでいます。
「こ、これは…どうしたことです!?」
正直で働き者のおじいさんは、意地悪でひねくれ者の
おばあさんに、わけを話します。
「ねずみの穴に招かれて、おいしい料理や
ねずみのもちつき。その上、おみやげまで
持たせてくれたんです。いやあ生き物は大切にすべきですね」
「た、たた、たいへん!!」
意地悪でひねくれ者のおばあさんは、
話を最後まで聞くことなく、ぴゅんと家に飛んで戻り、
おじいさんに今きいたことを話します。
このおじいさんも意地悪で、ひねくれ者で、
怠け者で、もうどうしようもないおじいさんでした。
「なにい。ねずみのおみやげ!
それはいい。わしも、マネしよう」
「そうですとも。私たちも
ようやく貧乏暮らしとおさらばできるんです」
「ばあさん、今すぐおにぎりを握るんだ。
うんとでかいのを、こう、ぎゅうぎゅうに、握り固めてな」
おにぎりはあまり握り固めると、うま味が無くなりますが、
そんなことはお構いなく、ぎゅうぎゅうに握り固めて、
意地悪でひねくれ者のおじいさんは、おにぎりを持って
山にすっ飛んでいきました。
そして芝刈りをしました。
もちろんじいさんは仕事が大嫌いなので、
形ばかりでまじめにやりません。
昼頃になってお腹がすいてくると、
ちょろろっと、ねずみの姿が見えました。
「しめたっ!!」
がっとねずみをひっつかまえて、
「くらえ!!」
ガボとオニギリを、無理やりに、ねずみの口に
押し込むと、
ちゅう、ちゅう、
嫌がって逃げようとする鼠を
しかし、じいさんは逃がさず、
がしっと鼠のしっぽを捕まえると、ちゅんちゅんと
ねずみは走っていき、穴に入り、どこまでも穴の中を進み、
ねずみの国にたどりつきました。
「ほほう、ここがねずみの国か」
立派なお屋敷があり、うぐいすが鳴き、
梅桃桜が季節構わず咲き乱れています。
たいへん目出度く、華やかな感じです。
「おや…」
見ると、お父さん鼠、お母さん鼠が、子供の鼠数匹を
かくまうように、ガタガタ震えています。
じいさんを怖がっている様子でした。
「何をしとるか。早く料理の用意!!」
「はいっ」
「酒!」
「今すぐ」
「もちつき音頭をやれ!」
「やります」
おじいさんはわがまま放題に命令します。
実に、えらそうな態度です。
ねずみたちは仕方なく、もちつきを始めます。
「ぺったんぺったん、ねずみのもちつき
ねこがこなけりゃ せんねんまんねん」
聴きながら、おじいさんは思いました。
「『ねこがこなけりゃ せんねんまんねん』…
ははーん、こいつら、猫が嫌いなのか。
じゃあ、猫の鳴きまねしたら、どうなるかな。
ぱあっといなくなって、わしはそのスキに
お屋敷じゅうの宝という宝をかっさらって、
大金持ちになれるぞ。ようし…」
「にゃあごーーーーーー」
image1
するとねずみたちは、
「ね、ねねね、猫だ」
「きゃああ猫、猫」
「猫いやーーーーん」
ぴゅん、ぴゅん、ぴゅん、ぴゅん。
あちこちに、逃げ散ってしまい、
おじいさんは、広いお屋敷に
ただ一人残されました。
「ぐしししし。大成功」
そこでおじいさんは屋敷じゅうの宝という宝を集めて
つづらに詰め込みます。
これから始まる贅沢な暮らしが頭の中をよぎり、
おもわずニヤケ顔になります。
しかし、
「出口はこのあたりだったか。…違うか。
確かこのあたりに…あれ、無かったか。
こっちかな。…ここも行き止まりか。
まいったな。どこへ行っても、出口が無いじゃないか!!」
出口を探して、さまよっている内に、とうとう、おじいさんはもぐらになってしまいました。
今日も、もぐらのおじいさんは地下のどこかで出口を探して駆けずり回っていることでしょう。
このお話は、
働き者で心の優しい老夫婦と面倒くさがりで悪知恵の働く老夫婦、心の優しい老夫婦がネズミに恩返しをされたのを見て悪知恵の働く老夫婦がそれを見てネズミに無理矢理同じ事をしても結局ネズミに嫌がられ悪知恵が働いたおかげで最終的には罰が待っている。
このお話はいいと悪いがはっきりしていますね。
真面目で親切な気持ちを忘れてはならないと考えさせられました。
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