おむすびころりん

4月に入りました。
桜が咲き、春が訪れましたね。
皆さん、お花見など行かれたでしょうか?
今回は、《おむすびころりん》を紹介します。
…STORY…
正直で働き者のおじいさんとおばあさんがいました。
「それじゃあばあさん、今日も行ってくるよ」
「気を付けて行ってきなせえ。
ほれ、お昼のおにぎりを持っていってください」
その日もおじいさんは山へ芝刈りに行くので
おばあさんにオニギリを握ってもらいました。
おじいさんは時の流れも忘れ、いっしょうけんめい働きました。
気がつくと太陽はすっかり真上にのぼってお昼です。
「そろそろ、昼にするかあ。
ばあさんの作ってくれた握り飯は、うまいからのう」
おじいさんがオニギリを取り出そうとしたその時、するっと
手が滑ってしまい
オニギリはころりん、ころりんと転がっていきます。
「待て待て」
慌てて追いかけるおじいさん。
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オニギリはころりん、ころりんと転がり、
ころりん、ころりんと転がり、
地面にあいた穴の中にすとーんと、ととびこんでしまいます。
「こまったのう。せっかくばあさんが握ってくれたのに」
おじいさんが穴の中を覗き込むと、
中はずいぶん広く斜めにどこまでも穴がのびています。
夢中になり覗き込むおじいさん。その時
足をふみはずし、
「うわーー」
おじいさんは長い穴をズザーとすべりおちていきました。
気がつくと、まわりがずいぶん明るいです。立派なお屋敷があり、うぐいすが鳴き、
梅桃桜が季節構わず咲き乱れています。
たいへん目出度く、華やかな感じです。
お屋敷の中から白いネズミが出てきて、
おじいさんに言います。
「おじいさん、どうぞ中へ」
おじいさんは立派な座敷に通されます。
すこへお父さんねずみが出てきて、
「このたびはおいしいオニギリをありがとうございました。
えっ?お昼のお弁当だったんですか。それは悪いことをしましたね」
「いやいや、こんなに喜んでくれてワシも嬉しいです。
むしろ全部食べてほしい。食べてください」
おじいさんは景気よく残りのオニギリを並べます。
赤ちゃんねずみはおじいさんの頭に駆け上がって、
ぴょんぴょんと飛び跳ねました。
「こんなに良くしてもらって感謝の言葉もありません。
お礼にモチつき踊りを楽しんでいってください」
ネズミの餅つきなんて聞いたことありません。
おじいさんがワクワクして待っていると、
たくさんの石うすが運び込まれ、
たすきを巻いた若いネズミたちがズラッと並び、
ぺったんぺったん餅つきが始まります。
「ぺったんぺったん、ねずみのもちつき
ねこがこなけりゃ せんねんまんねん」
歌がはじまり、料理やお酒が並べられます。
ねずみのもちつきは実にうまいもので、
一匹がモチをこねると一匹が杵をふりおろし、またぺったん。それに合わせて
「ぺったんぺったん、ねずみのもちつき
ねこがこなけりゃ せんねんまんねん」
と歌うのですから、その可愛さ、面白さはたまりません。
おじいさんも思わず
「ぺったんぺったん、ねずみのもちつき
ねこがこなけりゃ せんねんまんねん」
と、一緒になって歌い出し、
宴会はたいへんに盛り上がりました。
「いやあ、楽しかった。
ほんとうによい時間が過ごせました」
「ご満足いただけましたか。
よかった。では、おみやげを持っていってください」
「ええっ、こんなにしていただいた上に、
おみやげまで!いいんですか?」
「どうぞどうぞ、そんな遠慮なんてしないで」
そう言って、ねずみたちはつづらをくれました。
ズッシリと重いです。
いかにもいいものが入っている感じで、
かついでいるだけで、わくわくします。
「では私のしっぽをつかんでください」
「え?こうですか。わ、わわ、わーーっ」
おじいさんが言われるままにねずみのしっぽを
つかむと、すーーーっと穴を通り抜け、地上に戻り、
見ると、自分の家の真ん前でした。
おじいさんはおばあさんにわけを話します。
つづらを開くと、大判小判がざくざくと出てきました。
「ありがいたいこっちゃ。ありがたいこっちゃ」
こうしておじいさんとおばあさんは、
ねずみがくれた大判小判のおかげで
何不自由無い暮らしができるようになりました。
後半に続きます(^^)
おたのしみ(^^)
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